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◆ ◆ ◆ 無我夢中(その2)◆ ◆ ◆ 2010/08/17 (Tue) 13:15 9日(前夜祭。)昨年の各賞受賞チームだけが出場できる晴れがましいステージで、我がチームは練習とは打って変わって一体感のある溌剌(はつらつ)とした踊りを披露し、観客はもちろんのこと、演舞後にすれ違った多くの人からも大絶賛を受けた。 10日(本祭初日。) 例年よりはずいぶん過ごしやすい薄曇りの空の下、延べ7ヶ所の競演・演舞場を回るにつれチーム全体のボルテージはどんどん高まっていき、それに比例するように沿道の観客からの声援も目に見えて大きく熱くなっていった。 「こうやって踊りが大きくなって揃ってくると今年の衣装はすごく映えるね!!」。 僕や歌に対する評価より、踊りや衣装を褒められることが理屈抜きに嬉しかった。 11日(本祭二日目。) 九州の西を北上した台風によるスコールのような雨が断続的に降る中、衣装の袖や裾から水しぶきをほとばしらせながら、踊り子もスタッフも怯む(ひるむ)どころか益々気持ちを高めて一つになっていった。 地上約3mの地方車の上からも沿道で声援してくれる個々の声を聞き分けられるくらい、次第に心にも余裕が出てきて歌にも煽りにも自然にアドリブが入るようになる。 5ヶ所の競演・演舞場を踊り終えた頃には夕方6時近くになっていた。 受賞すれば最終日の全国大会・後夜祭でも踊ることができるが、賞を逃すと今年のよさこいは間もなく終わる。 例年各賞が決まるのは本祭二日目の夜6時半過ぎ。 「ここまで来たら明日も踊りたいね」「評判もえいみたいやしマジで受賞できるかもしれんで!!」「けど去年でさえギリギリで入ったくらいだし今年はちょっと難しいんじゃない??」・・・・・。 その時間が近づくにつれ、地方の中でそんな会話をする仲間達との間に意識の相違のようなものを感じて僕は次第に自分自身とだけ向き合っていった。 * 今年は絶対に受賞したい…いや、しなければならない。 * あえて嫌われ役になって踊り子隊を引き締めてくれた女性スタッフ、僕の力不足な部分を大きく助けてくれた男性スタッフ、そしてそんな思いをしっかり受け止めて頑張って練習してきた踊り子のみんな!! * 自分自身も持てる限りの力を注いできたと、はっきり言い切れる今年、絶対に去年の結果を下回るのだけは、それだけは、それだけは・・・・・。 ……胸が苦しくなった。 ↓ 続きは<<一つ前の日記へ をクリックしてね ↓ -- 一言感想(200文字以内) -- |