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◆ ◆ ◆ 長い夏(1)◆ ◆ ◆ 2008/08/09 (Sat) 14:27 7月20日(日曜日)午前8時半頃のこと。「お母様にお世話になっているOと申しますが、須崎でお母様が倒れられました。」・・・・・。 「倒れたって?…どういうことですか??」 「意識は全くありません… 異常に大きな呼吸をされています…… 間もなく救急車が来ます。」 「救急車に乗ったらすぐに電話をください。」 必死に平成を装うも、あまりにも唐突な電話の内容に、心が急激に乱れていくのをはっきりと感じた。 「救急車に乗りました… K病院に行くそうです。」 K病院??…… 15年間の病院勤務の間に、大凡の医療機関の情報は入っている。 「おそらく脳血管系の重篤な病変だと思うので高知市のM病院に運んでもらえないでしょうか??」 「ちょっと救急隊の方に電話を替わります」 「もしもし…もうそういう状態ではありません……一刻を争いますのでとりあえずK病院に搬送させてください。」 サイレンの音と切迫した救急隊員の声の向こう側に、静かに横たわるお袋を感じた。 「…はい…お願いします」・・・・・ 周囲の音風景が次第に遠のいていくような感覚の中、それだけ言うのがやっとだった。 とにかく須崎へ行かなければ!! 同じマンションに住むM婦人にお由美丼宅まで載せていってもらい、お由美丼の車に乗り換えて西へ。 5分くらい走ったところでOさんから電話が入った。 「防災ヘリで医療センターへ搬送されるそうです」。 真っ暗闇の中に、極小さな一条の光が見えたような気持ちで、急いで車をUターンさせてもらった。 -- 一言感想(200文字以内) -- |