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◆ ◆ ◆ 長い夏(6)◆ ◆ ◆ 2008/08/09 (Sat) 14:37 7月28日(月曜日)。「堀内彰子(あきこ)さんのご家族の方」。 家族控え室で眠れぬ夜を過ごしていた僕は「はい」と返事をしながら、触知式の腕時計を確認した。 午前5時だった。 「こちらへどうぞ」 HCUの入り口で手を洗ったかどうか覚えていない。 「脈拍が50を切ってきました。」 「SPO2はどうですか??」 「70代まで落ちてきました。」 「気道内圧は??」 「痰が取れたのか20代に落ち着いてます。」 もう痰を作る能力も無くなってきてるのかもしれない。 「お母ちゃん…おはよ……」・・・・・!! やはり気道内圧が高いせいか、人工呼吸器からの呼気時の音が「ぽうっ…ぽうっ…」と少し太く短く聞こえる。 胸に手を当ててみると、昨夜遅くまで苦しんでいた痰によるラ音やゴロ音は今はもう感じない。 7時を過ぎる頃になると、もはや血圧は自動測定では計れなくなってきた。 もうそろそろかとも思いつつ、この日はレギュラー番組の収録を予定していたので、例によって「お母ちゃん、心配やけどやっぱり仕事に行けって言うよね」と声をかけた。 するとまた30分ほど経過した頃、脈拍は60代にまで持ち直し、SPO2も80代にまで上がってきた。 「やっぱりそうなんやね…じゃあ行ってくるわ」!! 早朝から駆け付けてくれたお由美丼の車でスタジオに送ってもらうべく病院を出たのが8時半過ぎ。 ところが20分くらい走ったところで病院から電話が入った。 「脈拍が40台まで落ちてきました…昼までは厳しいかもしれません」!! 「すぐに引き返します」。 このときばかりは心の底で叫んだ。 「お母ちゃん…たのむから…頼むからもう少しがんばってくれ〜」!! -- 一言感想(200文字以内) -- |